鑑定評価書とは、不動産鑑定業者が不動産の鑑定評価の依頼者に交付する、鑑定評価額その他国土交通省令で定める事項を記載した文書です。
不動産の鑑定評価とは、「土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」(不動産の鑑定評価に関する法律第2条第1項)であり、同法律に基づき不動産鑑定士が行うこととされています。
鑑定評価書には下記事項等が記載されます。
・鑑定評価額及び価格又は賃料の種類
下記のいずれかの価格に該当するか依頼者に確認のうえ記載します
正常価格 | 下記市場で形成されるである市場価値を表示する適正な価格 ・市場参加者が自由意志に基づいて市場に参加し、参入、退出が自由であること ・取引形態が、市場参加者が制約されたり、売り急ぎ、買い進み等を誘引したりするような特別なものでないこと ・対象不動産が相当の期間市場に公開されていること |
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限定価格 | ・借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合 ・隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合 ・経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合 |
特定価格 | ・各論第3章第1節に規定する証券化対象不動産に係る鑑定評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合 ・民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合 ・会社更生法又は民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、事業の継続を前提とした価格を求める場合 |
特殊価格 | ・文化財の指定を受けた建造物、宗教建築物、現況による管理を継続する公共公益施設の用に供されている不動産について、その保存等に主眼をおいた鑑定評価を行う場合 |
正常賃料 新規賃料 |
正常価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等(賃借権若しくは地上権又は地役権等に基づき、不動産を使用し、または収益することをいう)の契約において成立するである経済価値を表示する適正な賃料 |
限定賃料 | ・隣接不動産の併用使用を前提とする賃貸借等に関連する場合経済合理性に反する不動産の分割使用を前提とする賃貸借等に関連する場合 |
継続賃料 | ・不動産の賃貸借等の継続に係る特定のと自社間において成立するである経済価値を適正に表示する賃料 |
・鑑定評価の条件
下記の下記条件の内容・有無について、依頼者に確認のうえ記載します
対象確定条件 | 対象不動産の所在、範囲等の物的時王及び所有権、賃借権等の対象不動産の権利の対象に関する事項を核的するために必要な条件 |
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地域要因又は個別的要因についての想定上の条件 | 価格形成要因のうち地域要因又は個別的要因についに係る条件 |
調査範囲等条件 | 対象不動産の価格への影響の程度を判断するための事実の確認が困難な特定の価格形成要因が存する場合 |
・対象不動産の所在、地番、地目、家屋番号、構造、用途、数量等及び対象不動産に係る権利の種類
・対象不動産の確認に係る事項
・鑑定評価の依頼目的及び依頼目的に対応した条件と価格又は賃料の種類との関連
・価格時点及び鑑定評価を行った年月日
・鑑定評価額の決定の理由の要旨
・鑑定評価書上の不明事項に係る取扱い及び調査の範囲
・関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者に係る利害関係等
・関与不動産鑑定士の氏名
・依頼者及び提出先等の氏名又は名称
・鑑定評価額の公表の有無について確認した内容